進学に向けて

小論文指導風景

教室に中国語がとびかっている。何を熱心に話しているのかなあ、と思っていたら、中国人の先生と生徒が日本語で書いた「日本の食糧自供率をどのように高めるか」の論文の検討会であった。

3年生になると大学をどこにするか、ボツボツ考え始める。通信制の我が校では総合型選抜(AO入試)、推薦入試で入れる学校を決める生徒が多い
それと同時に始めるのが、小論文の書き方の練習。
テーマによって500〜700文字を論文形式で埋めるもの。
高校生にとっては小論文を書く事は、やったことのない初めての作業。
初めは何を書いていいかわからず、頭を抱える生徒が多い。
「貴方はこの事について何を知っている?」
「この事についてどう思う?」

毎年、この時期にこの初めの部分を手伝うが、ここで、初めて自分を見つめ、自分の言葉で自分の生活の中から自分の考えを表現する生徒も多い。
身近な話題から、自分がそれをどう考えているかを文章にしていく。初めはたどたどしい文章だったが、繰り返し練習していくうちに自分の考えを書くことが出来るようになってくる。

高校三年年生のこの時期に、自分の考えを文章にするという作業。これは精神的な成長にも素晴らしい効果があると考えている。

小論文はその上で、理論的な言葉で 起承転結を導き出す書き方が求められる。
そこで、書き方の指導を行う。

外国籍の生徒にとって、それを日本語でやるわけなので文法的な表現も含めて、非常にハードルが高くなる。繰り返し行う事で、だんだん良い小論文が書けるようになってくる。

ありがたい事に我が校の生徒は大学に入学した時の小論文の評価が高い。

小論文の練習は、ここで初めて人間的な触れ合いがあったり、お互いの理解を深めるチャンスになったりする。次の人生に向けて青年期の成長のステップと感じている。

(・総合型選抜(AO入試)はAdmission Officeの頭文字をとった入試方法で、学力よりも人物像を重視するのが特徴。
・推薦入試は、自分の高校の学校長に推薦されて受験する方法。指定校推薦と公募推薦の2つに分類され、両方にはいくつか違いがあります。)

その他の記事