お知らせ
志学通信 第14号
前期スクーリング
通信制の学習にもスクーリングがあります。
決められた場所に行き、教室に入り授業を受けます。
6月に入り、今年も本格的に前期のスクーリングが始まりました。
普段サポート校では自由な時間に登校し自分の好きな場所で学習を進めていますので、時間厳守で登校し、決められた教室で行うスクーリングは、生徒によっては緊張を伴います。生徒は事前に念入りに電車やバスの時刻をチェックしますが、新入生や外国籍の生徒にとっては授業を受けるより緊張するのが登校までの時間のようです。
通勤通学のラッシュ時間とずれているとはいえ、普段利用しない交通機関を利用することは、緊張のあまり思わぬ失敗になるようで、いつも乗るホームの反対に乗車してしまうことや、登校途中に自転車のカギを紛失してしまうなど・・・利用する道や駅の構内も焦るあまりに違う風景に映るようです。
先日のスクーリング時に、来日半年ばかりを過ぎたBちゃん、集合場所に遅刻してしまい、申し訳なさそうに、自分の思いを伝えたく懸命に翻訳した文章を、スマホ画面で私たちに伝えてくれました。
「先生、ごめんなさい。私のために、みんな色々と助けてくれてありがとうございます。」
「大丈夫だよ。リラックスしよう!同じような失敗はみんなもしているよ。」
「大丈夫。間に合うよ。」安堵しながらも、彼女の顔からは、自責の念を抱くのが伝わってきます。
彼女のたくましさを感じたのは、次のスクーリングを控えた前日のことです。
「My Self」前回の彼女の不安そうな顔が思い浮かぶスタッフとしては、バスに乗るまでのサポートをと示しましたが、彼女は自分に暗示をかけるかのように、「My Self」を繰り返し、決意の強さを感じました。
そして次の日、学習センターから予定の1時間も早く「Bさんがスクーリングの教室に登校した」の一報は、私たちスタッフにじわじわとした喜びと共に感動をもたらした。幼い弟の世話もあり、日本語の授業でも時折遅刻をする彼女が、自分に課した「My Self 」に、どれだけの準備とエネルギーが必要だったか計り知れません。
「My Self 」
淡々とこなした彼女には、これくらい大したことではないのかもしれません。それをも感じさせる彼女の夢は、きっと叶えるものだとして捉えているのでしょう。今日も柔らかに静かに学習をしています。
「My Self 」の生まれる場所
「My Self 」を応援しあい
「My Self 」の喜びに溢れる場所でありたいと改めて想う朝となりました。
2021.6.14(N・K)